現代においてDVDは,尊(たっと)きものとしてあるだろうか。それとも,世俗にまみれたものとしてあるだろうか。人々の利権や権益にまみれて,DVDは普及する前に汚れていく…,汚れていく…。
ノルウェー警察は,DVDのセキュリティーを破る「DeCSS」と呼ばれるプログラムを開発,配付したとして,16歳のヨン・ヨハンセン容疑者を逮捕した。ヨハンセン容疑者は,リナックスOS上でDVDを見られるようにするため,再生の独占的権限に抗議していることを述べている。
記事を読んで,妙な気持ちになった人も多いだろう。DVDにかけられているセキュリティーの第一の目的は,目の届く範囲の者たちにしかDVDプレーヤーを作らせないことなのだ。実は複製を規制しているのではなく,再生自体をも規制している。そうしないと,ライセンス料金のようなものを集めることが困難になる,というわけ。だから,なんだかわからんが勝手に再生できるソフトを作るような輩には,厳重に制裁を加える。…自らの金と権利のために。
DVDにまつわる胡散臭さは,そこら辺から漂う。次世代のメディアとして普及させようとする前に,一部のメーカー,団体の小銭稼ぎ的なものに落ちているふしがある。普及しない原因はそこに起因しており,尊き存在としてのDVDは,この世界に現れることはないんだなぁ;-P。
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